害獣駆除は市役所に頼めない

駆除

市役所の害獣駆除の対応はどこまで?自分で無理ならプロに依頼が早い!

イノシシやシカ、ハクビシンやアライグマ、イタチやネズミなど、地域差はあれど身の回りには害獣とされる動物が生息しています。

害獣が敷地内に入ってくると、糞尿などの悪臭や病原菌の問題、家の建材をかじったり地下に穴を掘ったりするので、人も家屋も被害を被ります。

害獣は自然の生き物なので、市役所や保健所などの自治体が対応してくれるのでは?と考える方も多いと思いますが、市役所をはじめ公的機関では害獣駆除は行っていません。

ここでは、市役所の害獣駆除に対する対応・サポート内容や相談する際の注意点、自分でできる害獣駆除対策を紹介します。

害獣の捕獲はもちろん、回収や処分、その後の清掃・消毒のリスクを考慮するとプロに依頼するのが早いです。

市役所で害獣駆除はしていない

害獣とされる動物たちは、住んでいる地域に生息しているので市役所に相談すれば駆除してもらえると思いますよね。

ですが、市役所をはじめ、区役所も保健所などを含む公的機関では、害獣駆除を行っていないんです。

相談窓口はあるので、市役所が行うのはサポート業務のみ。サポート内容は、各自治体によって異なるので、ホームページやお住まいの地域の相談窓口で確認してください。

参照:神戸市 有害鳥獣被害対策

市役所は害獣駆除のサポートのみ対応

市役所では、害獣駆除を行っていませんが、サポート業務を行っています。自治体によって多少異なりますが、主なサポート内容について見ていきましょう。

捕獲器や防護服の貸出

市役所の相談窓口で依頼すれば、捕獲機や防護服を借りることができます。捕獲器の貸出は原則1家族に1つで、貸出期間は2週間~1か月ほどとなっています。

ご自身の敷地で捕獲を希望する場合は、無償で捕獲檻の貸し出しをいたします。

引用元:神戸市 アライグマ被害対策

ただし、捕獲機を使うのには『狩猟免許』が必要になるので、無許可で害獣を捕獲したり殺処分したりすることはできないので注意が必要です。

害獣の種類や被害状況によっては、例外が認められることがあるので、まずは相談してみましょう。

害獣駆除業者の紹介・派遣

市役所では害獣駆除を行うことができないので、代わりに害獣駆除を行っている業者を紹介してもらえます。

自治体が決めた条件をクリアし、駆除依頼の申請書を提出すれば業者をあっせんしてくれますよ。後日、害獣駆除業者から連絡が来るので、ここからは業者とのやり取りになります。

害獣駆除の許可

野生の動物や鳥を捕獲・駆除することは法律で禁じられているため、勝手に駆除したりしないようにしましょう。

もし、勝手に駆除してしまうと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられることがあるので注意が必要です。

捕獲・駆除する際は、事前に捕獲許可申請書、実施者の名簿、捕獲場所が分かる図面などの書類を市役所に提出する必要があります。

有害鳥獣捕獲は、原則『狩猟免許保持者』が行わなければなりません。資格を保持していない一般人が捕獲するのはむずかしいので、害獣駆除の業者へ依頼することがほとんどです。

参照:神戸市 野生鳥獣の捕獲

補助金のサポート

害獣駆除を行った場合、自治体によっては補助金が出るところもあります。対象になるのは、捕獲に使う柵の購入費、狩猟免許取得の補助、害獣を駆除したときに出る報酬金です。

以下は、報酬金の一例です。

害獣報酬金
イノシシ5,000~15,000円
サル10,000~30,000円
ハクビシン1,000~3,000円
アライグマ1,000~5,000円

自治体にによって、補助金の対象になる害獣や補助金の額、補助金対象物などが異なるので注意しましょう。

参照:津市有害鳥獣捕獲報償金交付要綱

害獣駆除を市役所に相談する際の注意点

市役所に害獣駆除を相談する前に知っておいた方が良いことがあります。知らずに相談すると後悔することもあるので、以下の注意点をチェックしておきましょう。

害獣の回収は行っていない

市役所から捕獲器を借りて捕獲できたとしても、害獣の回収を行っていない自治体がほとんど。捕獲した場合は、自分で処分しなければなりません。

近隣住民に迷惑のかからないところまで行って放すか、自分で処分するのどちらかとなります。

ただし、害獣の処分には、原則狩猟免許を持っているか、申請許可が下りた人に限られるので注意が必要です。

害獣駆除業者の派遣は無料ではない

市役所では、害獣駆除の業者を紹介してくれますが、費用がかからないという訳ではないので注意しましょう。

捕獲器を設置したり、捕獲や駆除したりするときにかかる費用は無料のことが多いのですが、おびき寄せるためのエサ代、消毒費用、再発防止のための施工などは原則自己負担です。

優良業者が紹介・派遣されるとは限らない

市役所が紹介してくれる業者は、自治体が契約しているその地域の業者です。実績が不明だったり、素人同然の個人業者の可能性もあるので注意しましょう。

最近では、コロナ渦の影響で、個人が業者登録を行い、害獣駆除を行うという実績がない業者も多いようです。

市役所に相談すると業者をこちらで選ぶことができないので、最安値できてくれるとも限りませんし、最悪の場合、悪徳業者に引っ掛かってしまう可能性もあります。

市役所が契約しているからと、必ずしも優良業者ではないので注意しましょう。

屋内にいる害獣は対象外

市役所の害獣駆除に関するサポートは、屋内にいる害獣は対象外なので注意しましょう。

屋外の害獣に対して捕獲器を設置するだけなので、屋根裏などに潜む屋内の害獣は駆除できないんです。

ネズミなど屋内にいる害獣駆除は、市役所ではなくはじめからプロの業者に依頼するのがおすすめです。

害獣の糞尿などの清掃や消毒はしない

前述のように、市役所は捕獲器を設置するのみのサポートなので、害獣の糞尿、食べカスなどの清掃や消毒は行っていません。

害獣の糞尿などの汚れやニオイは、さらに害獣をおびき寄せるだけでなく、家の腐敗にもつながってしまいます。清掃業務や消毒は、早めに依頼して対処してもらいましょう。

申請から許可まで時間がかかる

市役所は、土日祝日や長期休暇などがあるため、業者と違って即日対応ができないので注意しましょう。

また、申請書を提出しても、許可が下りるまでに時間がかかってしまうこともあります。

今すぐ害獣駆除を行いたいという場合は、市役所の害獣駆除サポートではなく、プロの業者に依頼した方がスピーディーです。

害獣駆除は市役所ではなくプロに依頼が早い!

害獣駆除は、自分でも頑張ればできないこともないのですが、ケガや感染症のリスクがあるためプロに依頼するのがおすすめです。

プロの害獣駆除業者に依頼すると、それなりに費用がかかってしまいますが、さまざまなメリットがあります。

完全駆除が可能

家屋に影響を与えている害獣は1匹とは限りません。

捕獲器や罠などで目の前の害獣を駆除できたとしても、ほかに潜んでいる害獣がいる可能性があるため、素人が完全に駆除できるのはむずかしいでしょう。

また、害獣のなかにも学習するものもいるので、同じ捕獲器や罠では捕獲できなくなることもあります。

プロの業者なら、害獣の習性などの知識と経験が豊富なので、完全に駆除できる可能性が高くなりますよ。

再発防止対策もバッチリ

害獣を駆除したあとは、再発防止策が必須です。侵入経路を特定して塞がないと、新たに害獣が入ってくる可能性があります。

害獣駆除業者なら再発防止策も徹底して行ってくれるので、駆除後も安心です。

害獣の糞尿などの清掃・消毒も行う

害獣の糞尿がある場合、適切に処理しないと病原菌が繁殖したり悪臭が取れなかったりします。

害獣駆除のプロなら、汚染箇所の清掃を行い、害獣も持ち込まれた可能性があるので殺虫剤や殺菌剤を使って適切に処理・消毒してくれます。

住宅の修繕に対応する業者もある

害獣により家屋がかじられるなど傷みがある場合は、修繕が必要になります。

害獣による被害の例を挙げると、屋根裏や壁のすき間に糞尿が溜まると、天井や壁紙にシミや黒ずみが出てきます。

この場合は、最低でもクロスの張り替えが必要になってくるので、家屋の傷みが気になる方は、修繕も行っている害獣駆除業者を選ぶと良いですよ。

万が一の再発保証制度もある

害獣駆除の業者のなかには、アフターフォローで保証制度を設けているところもあります。

万が一、駆除の際に家屋が傷付いた、害獣を駆除できなかった、害獣が再発したなどという場合に、保証があると安心して利用することができますね。

自分でできる害獣駆除対策

市役所に害獣駆除を依頼できない場合や、業者に駆除を行ってもらった後に、自分でできる対策を行って害獣を予防していきましょう。

害獣対策は、住み着かせないことがポイント。すぐにできる対策を4つご紹介します。

換気口にカバーをする

ネズミやハクビシンなどが住み着きやすいのが床下です。侵入経路は、床下換気口や、穴を掘って入ってくるので要注意ポイント。

古い家屋の場合は、家屋にすき間が生じていることが多いため、そこから害獣が侵入して住み着いてしまいます。

とはいえ、床下換気口を完全に塞いでしまうと湿気を逃すことができなくなるため、網目状のネットなどを設置して侵入を防ぐようにしましょう。

屋根と壁のすき間を塞ぐ

屋根裏には、ネズミだけでなくハクビシンやアライグマなどさまざまな害獣が住み着きやすくなっています。

家の中の暖かい空気が屋根裏に溜まるため、冬でも過ごしやすく害獣が過ごしやすい絶好の環境なんです。

屋根裏への侵入経路は、換気口や電線の導入部、外壁の穴、ヒビ割れしているところなど。

床下換気口のように侵入防止ネットを設置したり、穴を開けられている場合は、ホームセンターで購入できる補修用穴埋めパテを使ってすき間を塞ぎましょう。

害獣対策グッズ(忌避剤や毒エサなど)を設置し予防する

害獣予防グッズとしてさまざまなアイテムが市販されているので、自分で対策する場合はこれらのアイテムを使用するのも効果的です。

雨樋などを登って屋根裏へ侵入する害獣には、忍び返しやネズミ返しと呼ばれるグッズが効果的。

ほかにも、害獣が嫌がるニオイを発する忌避剤や、害獣が不快に感じる音を出す超音波発生器などがあります。

超音波発生器の場合、人によっては敏感に反応してしまい、体調が悪くなってしまうことがあるので注意が必要です。

これらの対策グッズを、床下や雨樋、屋根裏など害獣が侵入してくる経路に設置して侵入を防ぎましょう。

リフォームする

すでに家屋が害獣被害によって傷んでいる場合は、リフォームがおすすめです。

糞尿などの汚れを除去できる場合はきれいに清掃を行い、被害状況に合わせて殺菌。汚れの除去がむずかしい場合は、建材を新しいものに交換します。

床下か屋根裏かで費用は異なり、侵入口の数、害獣の数、被害状況によっても大きく変わりますが、リフォーム費用は床下で10万円。屋根裏で20万円が相場です。

まとめ

市役所では、害獣駆除を直接行いませんが、サポート業務は行っているので捕獲器の貸し出しや、害獣駆除業者の紹介などを行っています。

自分で害獣駆除を行う場合、ほとんどのケースで狩猟免許が必要になり、勝手に捕獲・処分すると法律違反になるので注意が必要です。

害獣駆除は、自分で行うにはケガや感染症のリスクが高いので、知識も経験も豊富な害獣駆除の業者に任せるのがおすすめです。

市役所に相談しても、申請から許可が下りるまで数日かかることが多いので、すぐに駆除したい場合は業者に依頼した方が即対応してくれますよ。

新たに害獣駆除の被害に遭わないためにも、自分でできる対策も行って再発防止に努めましょう!

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